生理痛・生理不順
生理痛や生理不順などの症状に対しても、自律神経を調節することや精神的ストレスの軽減、ホルモンバランスの改善、骨盤内の血流改善を促すことなどを目的に、はり・きゅう治療を行うことで効果が期待できます。
「生理は痛くて当たり前」 ではないです。
また、生理痛や生理不順が不妊の原因と関係していることや、他の疾患が原因で生理痛や生理不順が起こっていることもあるため、注意が必要となります。
・生理痛
生理とは、正確には「生理的出血」のことを指します。
また、生理は毎月起こりますので、生理を医学用語で「月経」と呼ぶこともあります。
月経時には、骨盤内に著しい充血が起こるため、多かれ少なかれ様々な症状がみられます。それには個人差がありとっても痛い人もいれば、それほど痛くない人もいます。
また、出血量にも差があります。痛みなど症状の激しい状態を月経困難症といい、仕事や学業など日常生活に影響を及ぼすほど辛いものです。
さらには、10~20歳代ではほとんど症状がなく、30歳を超えて徐々に生理痛がひどくなってきた場合などでは、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が原因となっているケースもあります。
【月経困難症の代表的な症状】
下腹痛、腰痛、下腹部膨満感をはじめ、頭痛、顔面熱感、発汗、動悸、イライラ、嘔吐、食欲不振、乳房痛などがみられます。
この中で意外と知られていないのが頭痛です。
生理時の頭痛の主な原因は、女性ホルモンの変化によるものです。
女性には「エストロゲン(卵胞ホルモン)」というホルモンがあるのですが、このホルモンの分泌量は、排卵前にピークを迎え、排卵後に急速に減ります。
このエストロゲンの分泌量が増減する際に、脳にある「セロトニン」という物質も減ってしまいます。
この「セロトニン」という物質は、心のバランスを整える脳内伝達物質の一つ。
これが不足すると、片頭痛の原因になるほか、感情的になりやすくなったり、集中力が途切れたり、最悪「うつ病」になる恐れもあるといわれています。過剰になることによっても引き起こされる(バランスが大切)
セロトニンとは、人間の精神面に大きな影響を与える「神経伝達物質」のことですが、これが不足すると、精神のバランスが崩れやすくなり、うつ病にかかりやすくなるといわれています。
生理と頭痛は別々に考えがちです。
でも、生理と頭痛は連動しています。
またセロトニンは不規則な生活や偏食などによってもどんどん減ってしまうので、生活習慣の見直しも必須です。
・生理不順
生理不順は、思春期や更年期における卵巣の未熟や衰退、ホルモンバランスの低下が原因となって起こることが多いと考えられています。
さらには、出血量や出血日数が多い場合などでは、子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜症などの様々な病気が原因となっているケースもあります。
また、これまであった月経が3ヶ月以上停止した状態を「続発性無月経」といい、生活環境の変化や激しいスポーツ、急激な体重減少など身体的・精神的ストレスが影響して起こることが多く、稀発月経と交互して起こることがあります。生理不順では骨折を起こしやすいというデータもあり注意が必要です。
・スポーツと生理
スポーツを行う方は特に、『生理』と、どう向き合うのかです。
特にアスリートにとっては、コンディションの低下やプレーの質、競技の結果をも左右する重要なことなんです。
国立スポーツ科学センターの最新の調査結果では、実に9割が『生理に伴ってコンディションが変化するとういうデータや生理中には靭帯が緩みやすいというデータなども出ています。
怪我やパフォーマンスの低下の原因に十分なりうることです。
スポーツ現場でも大半は未だに『みんな生理があるなら平等だろう』と考えているのではないでしょうか。
不調の種類やその大小がそれぞれだということも、理解していない現場が多いのかもしれません。
本来ならばスタッフと選手たちが話し合えるような環境を作らなければいけないのですが、学校で性教育を男女別々に行うせいで、『触れちゃいけないこと』という感覚が小さいころから植え付けられているということがあるのではないでしょうか。
鍼灸治療や生活習慣の見直しで、改善できるところがあれば改善していきましょう。